共同通信配信の記事です。トヨタのハイブリッド車に関して、米国のペイス社が特許侵害の疑いで米国際貿易委員会(ITC)に提訴したとの内容です。
産経新聞 2009/10/07 10:27更新
米国際貿易委員会(ITC)は6日、トヨタ自動車の一部のハイブリッド車種や部品について、自社特許の侵害を理由に輸入と米国内販売の差し止めを求めた米企業の訴えを受け、関税法337条に基づく調査を開始すると発表した。
記事本文の続き 提訴したのはハイブリッド車の技術開発を手掛けるペイス(フロリダ州)。電気モーターとガソリンエンジンを併用して走行するハイブリッド車の技術と部品が、自社の特許を侵害しているとして9月初めにトヨタと同社の米国法人を訴えた。
トヨタ側は「トヨタはハイブリッド技術で多くの特許を持つ。訴えのすべてに抗弁可能であり、勝利できると信じている」とコメントした。
ペイスはウェブサイトで、「プリウス」のほか「カムリ」と「レクサス」のハイブリッド車が特許侵害に当たると主張している。ITCは調査の開始決定後、45日以内に調査終了の期日を定める。(共同)
まずこの種の争いごとはどちらが正しいかではなく、どちらが強いかで決着することを理解しなければなりません。トヨタが「自分達の方が正しいのだから、正々堂々と受けて立てばよい」と思っているのであれば、必ず敗訴して賠償金を払う羽目になります。アメリカの裁判や機関の裁定が”正義”によってなされると思ったら大間違いです。相手の訴えに対して抗弁できるから勝利できると(単なるアナウンスでなく)本当に思っているのであればとても心配です。
ハイブリッドに限らず非常に有望でコアな技術が他国に(特に日本に)抑えられそうになると、欧米は必ず果実を横取りしようとします。古くはマイクロプロセッサもそうでした。日本のビジコン社の発案によって生まれた世界最初のマイクロプロセッサIntel 4004も、その事実が消し去られています。
最も最近では光ファイバの基本構造を開発した功績で米国籍の3氏にノーベル物理学賞が贈られましたが、その基礎をはじめて提唱した西澤潤一・元東北大学長が選から漏れました。
毎日新聞 2009/10/07 00:07更新
http://mainichi.jp/select/today/news/20091007k0000m040046000c.html?link_id=RAH03
光ファイバの製造技術についても日本は優れた技術を持っていましたが、今回のハイブリッド係争と全く同様の舞台装置で、米国コーニング社が住友電工USAを先の米国際貿易委員会(ITC)に提訴し、一旦退けられたもののコーニング社はニューヨーク連邦地方裁判所に損害賠償請求を行い、結果的に住友電工は理不尽とも言える敗訴を喫し、多額の賠償金を払い米国から撤退した苦い経験があります。
(参考)
http://homepage2.nifty.com/tkeizo/book120925-j.html
これらの”日本バッシング”とも言える行為を人種差別という人もいますが、それだけに矮小化できないと私は考えます。端的に言えば日本人はおとなしくて文句を言わないからナメられているのです。ちょっと脅せばすぐ金を出すと思われているのです。成果を横取りしても文句言わないと思われているのです。こういう輩には「いい度胸じゃねえか。あんまり無茶言うなら覚悟しろよ」という態度がまず必要です。
私は思うのですが、こういう国策的難癖に対しては日本政府が「本件に対しては公正な判断がなされると信じている」とかまずは一本ジャブ打ってみるくらい必要じゃないでしょうか。日本は技術立国なのだから、この種の争いごとは国の総力を挙げて叩き潰しておかないと、日本の優れた技術もみんな横取りされてしまうと思うのですが。
結局、無理を言えば反撃されるという経験を積んで、どんな輩でも相手との距離感を学習するわけですから。
by 白うさぎ
反体制は、結局体制になれない…